●お酒に逃げてはいけない

 慢性的に「死にたい」という感情が起こる人にお願いしたいのが、「お酒を飲まない」「お酒をやめる」ということです。日本の自殺者の調査によると、自殺者の32.8%からアルコールが検出されており、特に激しい自殺の方法をとる人ほど高濃度のアルコールが検出されています。

 また、自殺未遂で救急病院を受診した人からは、平均40%もの割合でアルコールが検出されています。自殺しようとする人の3~4割が、お酒を飲んで、酔った勢いで自殺をしているのです。

 アルコールを時々飲む人に比べて、1日3合以上飲む人は、自殺のリスクが2.3倍に増えるという研究もあります。

 慢性的なアルコールの飲用が、自殺のリスクを高め、孤独を助長し、「死にたい」という気持ちを増幅させます。さらに、突発的な酩酊で、思考力や判断能力が低下し、自殺への恐怖も薄まり、本人も予期せぬ自殺行動が引き起こされるのです。

「嫌なことがあったら、お酒に逃げる」「お酒の力で、嫌なことを忘れる」という日々の行動が、積もり積もって「自殺」にまでエスカレートしていきます。自分の意思ではなく、お酒に殺されているだけなのです。

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