ドイツ南部エルマウで開かれたG7サミットに集まったバイデン米大統領ら各国首脳/6月26日(写真:picture alliance via Getty Images)
ドイツ南部エルマウで開かれたG7サミットに集まったバイデン米大統領ら各国首脳/6月26日(写真:picture alliance via Getty Images)

 つまり、バイデン大統領は来年以降、議会は共和党が多数派という「ねじれ」現象に両手を縛られ、物価を中心とした経済政策などにおいてレームダック(死に体)となる可能性が高い。大統領と議会の対立のなかで、市民は「置いてけぼり」となるわけだ。

 ブレマー氏は自身のニュースレターで、ウクライナの将来も明るくはないと指摘する。現在、西側諸国からの支援は最大級のものだが、来年に至ってはその保証もないという。

「ウクライナは反撃し、ロシア占領地域の一部は取り戻せるのだろう。しかし、プーチンの立場からすれば、ロシアに(クリミアのような)併合地域を加えるだけで『勝利』宣言することは簡単だ」

 ウクライナが敗北した場合、バイデン大統領に国内外から批判の矛先が向けられるのは間違いない。勝っても負けても、バイデン政権は国内外で問題を抱え続ける「四面楚歌(そか)」の状態となっている。(ジャーナリスト・津山恵子=ニューヨーク)

AERA 2022年7月11日号

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