いっそ、炭水化物をとるのをやめればいい気がするが、「炭水化物を減らしすぎるのもよくありません」。
過剰な糖質制限が続くと、筋肉を分解する「糖新生」が起こる。
加えて、極端にエネルギー摂取量を減らし続けると、体を一定に保とうとする機能「ホメオスタシス」が発動。いったんは減量しても、元の体に戻ろうとするから、リバウンドしてしまう。
「炭水化物は少なめに、タンパク質や脂質を含むおかずは多めにと、三大栄養素をうまく組み合わせてとることが大事です」
■「置き換える」
とはいえ、おなかいっぱい主食を食べたいときはある。管理栄養士の浅野まみこさんは言う。
「炭水化物量を適正にとるために『置き換える』という考え方があります」
低糖質、もしくは食物繊維が多くて血糖値は上昇しにくいと謳う食品が増えてきた。
「どれを選んだらいいか迷ったら、食品表示を見てください。原材料は、多く入っている順番に記載されています」
最近スーパーで大きな棚にずらりと並んでいるのが、オートミールだ。
「オーツ麦をプレスしただけの商品で、トウモロコシが原料のコーンフレークとは別物です。オーツ麦は雑穀の一つなので、日本人が好きな味や食感に加工がしやすいのも人気の秘訣です。よく噛むので満足感もあります。白米をオートミールに変えるのもおすすめですよ」
浅野さんは続けて指摘する。
「オートミール30グラムは白米150グラムと比べて、タンパク質は同量でカロリーは2分の1、炭水化物は0.4倍、食物繊維は1.2倍。鉄分は6倍。炎症を抑えるビオチンは、8.3倍。白米と比べると、圧倒的に栄養価がオートミールの方が高いです」
浅野さんのおすすめは、オーソドックスなオーツ麦を蒸してプレスした「ロールドオーツ」だ。
「インスタントスープに入れて、湯を注げば、簡単な朝食ができます。野菜炒めにいれると、野菜の水分を吸ってくれるだけでなく、少量の糖質が加わって炒め物の満足感が上がります」
オートミールに続いて、いま注目されているのが「大豆タンパク質」だ。