(ここにあったのか……)

 電車に乗れば十分程度の場所にあるので、欲しかったらここに買いに来ればいいのだとわかったが、1袋2百円程度のものを買うのに電車に乗るのも躊躇する。かといって歩いて買いに行ける距離ではない。ちょっとなあと思ったので、まずキャンディーがなくなり、そのうえでまだ欲しかったら、他に買う物があったときに買いに来ればいいのだと考えた。

 仕事をしながら、1粒、2粒で満足してしまうことが徒になり、なかなか在庫は減らない。私に最初に箱入りのキャンディーをくれた知り合いは、

「同じ飴だから変わりがないんじゃないの。これからのど飴のかわりにそれを使ったら」

 という。そういう方法もあるかもしれないが、やはりのどには専門家が作ったのど飴という気もするし、彼女がいうように、飴だったら結局、何でも同じような気がする。のど飴の在庫が1本あるから、それがなくなったら、これにしようと思ったが、今の時期はそれほど乾燥しないので、のど飴の出番がなくなった。キャンディーにもちょっと飽きてきたので、両方とも出番がない。

 やはり噛んで食べるおやつを食べたいときがある。気温が上がっても冷たいおやつは食べないので、常温のものを探すと季節柄、柏などの和菓子が並び、どれもボリュームがある。そこでまた興味がわいてきたのが、「たべっ子どうぶつ」である。メーカーのサイトを見てみたら、私が買ったのはバター味だったが、他にもノンフライのスナックうすしお味とか、メープルバター味など、様々な種類があった。そのなかで「たべっ子どうぶつおやさい」は本気で食べたくなった。また別シリーズでは「たべっ子水族館」「たべっ子水族館ホワイト」があって、海の生き物が象ってあり、それぞれチョコレートとホワイトチョコレートが、中にしみ込んでいるのだそうだ。

「うーん、これは魅力的だ」

 近所のスーパーマーケットには、「たべっ子どうぶつバター味」しかなかった。しかしこの連休で、徒歩圏内のちょっと遠くのスーパーマーケットまで、足を延ばして探してみようと、楽しみが増えたのである。

※『一冊の本』2019年6月号掲載

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