週刊朝日 2022年7月8日号より
週刊朝日 2022年7月8日号より

 どうすればフィッシング詐欺から逃れられるのか。セキュリティーの分野に詳しいITジャーナリストの三上洋さんに聞いた。

「まず、ITのリテラシーがある程度ある人が騙されやすい傾向があります。知識がない人は騙されるのを恐れて、アクションを起こさないのですが、なまじっか知識があると自分は大丈夫という過信がありますから」

 まさに自分のことだとドキリとした。

「個人情報を要求するショートメールやPCのメールは仮に本物であってもリンクをクリックしないことです。必ず検索したりブックマークした公式ページで事実を確認したりしてから行動を起こすことが重要です」(三上さん)

 最近は本物と偽物を見分けるのが非常に難しくなっているという。

「いくつか対策がありますが、大切なことはカードなどの利用明細をしっかりチェックすることです。最近は少額を何度も騙し取るケースもあるので、見逃しているうちに積もり積もって多額になることもあります」(同)

 また詐欺グループは、夏と冬のボーナスシーズン、年末のクリスマス、お正月などの商戦時期は活動が活発になる。この時期は特に気をつけるべきだと注意を促す。

 偶然にも、三上さんとそう話していたら、「カード番号を更新してください」とのメールがPCに来た。アドバイスどおりスルーして削除した。

「今は誰もが詐欺に遭う可能性があります。そのリスクを少しでも低くするのが、今できる最大の対策ですね」(同)

 もう二度と騙されないぞ。(本誌・鮎川哲也)

週刊朝日  2022年7月8日号

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