■ワンポイントデザインと名キャンペーン


●700系から始まった東海道新幹線のロゴマーク
700系の車体側面に施されたロゴマーク。オレンジ色の楕円の上に700系のサイドビューが描かれた(C)朝日新聞社
700系の車体側面に施されたロゴマーク。オレンジ色の楕円の上に700系のサイドビューが描かれた(C)朝日新聞社

 東海道新幹線は紺色の帯でしか飾らない……。長い間、そんなイメージが定着していたが、これを覆したのも700系だった。700系ではワンポイントのデザインが目を引くようになった。特にC・B編成において、3・7・11・13号車の壁面に入れられたロゴマークは、オレンジ色の楕円の上に700系のサイドビューが描かれ、大きく「700」と重ねられたデザインで、それまでの新幹線車両とは一線を画するものだった。

 おそらくこれ以降「のぞみ」という列車愛称だけでなく「700系」という形式までもが子どもたちや、場合によってはあまり関心のなかった女性たちにも浸透していったのではないかと思われる。

 これは良い先例となり、N700系、N700A、そして最新のN700Sにもしっかりと導入されている。今や「今回は小さいAが来たね」とか「Sにも早く乗ってみたいね」といった声がどこからともなく聞こえてくることがあるほどだ。

 なお、JR西日本が保有する700系3000番代(東海道・山陽新幹線用)は、運転席の下に「700」のロゴが入れられていて、JR東海の0番代との識別点になっている。

●あの時は確かに目を奪われた~AMBITIOUS JAPAN!~

名古屋市内を走る700系。先頭車の側帯には「AMBITIOUS JAPAN!」のステッカーが貼付された。東海道新幹線で初めてのキャンペーンだった(C)朝日新聞社
名古屋市内を走る700系。先頭車の側帯には「AMBITIOUS JAPAN!」のステッカーが貼付された。東海道新幹線で初めてのキャンペーンだった(C)朝日新聞社

 東海道新幹線の車内放送のチャイムを聞いて「どこかで聞いたメロディーだなぁ」と思ったことはないだろうか。アップテンポな原曲とオルゴール風のチャイムではかなりテイストが異なるが、TOKIOが歌った「AMBITIOUS JAPAN!」の一節が今でも2パターン使用されている。

 2003年10月1日、東海道新幹線に品川駅が開業したのに合わせた「AMBITIOUS JAPAN!」キャンペーンで、同タイトルの曲も印象的だったが、700系の両先頭車側面に帯の一部に挟まる形で「AMBITIOUS JAPAN!」の文字が入っていたのもかなり注目を集めた。その長さは側窓8枚分にも及び、約9メートルもの長さがありインパクト抜群だった。

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?
次のページ
700系は名車の一つと言って間違いない