「今」をどう過ごすか

――間宮は15歳でデビュー。17歳で初舞台「ハーパー・リーガン」に出演し、経験豊かな俳優たちの姿を見て「初めて職人としての俳優を見た思いがして打ちのめされた」と振り返る。だが、いまやその彼も映画やドラマで主演を張り躍進。俳優として確実に大切なことの一つは「求められること」だと言う。

間宮:求められなかったら、「俳優です」と言っても演技をする場所がありません。俳優であるためには、俳優として求められ続ける必要があります。そのためには、自分が出ているから作品が面白くなると思ってもらわなくてはいけない。制作者はみな「この作品を面白くしたい」と、絶対に考えているはずなので、「この役を間宮祥太朗にやらせたら面白くなる」と思われたい。そのための努力は惜しみません。

――今後の俳優としての目標は。

間宮:僕は目標を立てたことがないんです。結局どんなに近しくても未来は現在の延長にしかない。1年後、5年後、10年後をいくら想像しても、過去のことを「たられば」で言っても仕方ないのと一緒で、未来のことをどうするかというよりも、今しかできないことをする。過去も未来も変えられないから今を変える。今、選択したり、今、動いたり。「今」をどう過ごすかによって未来が微妙に変わっていく。それが短ければ些細(ささい)な変化だろうし、長ければその些細な変化がどんどん大きくなると思っています。

(構成/フリーランス記者・坂口さゆり)

AERA 2022年7月4日号