冬といえばやっぱり鍋。家族や友人たちとワイワイ囲むのもいいけど、それだけじゃない鍋の魅力を教えてくれるのが、料理家のSHIORIさん。無限に広がる「小鍋」の可能性とは?

【お手軽小鍋レシピの記事を写真つきで見る】

寒い日に食べるアツアツのお鍋って、最高ですよね~
寒い日に食べるアツアツのお鍋って、最高ですよね~
この記事の写真をすべて見る

■自分の好きなものを好きなだけ食べられる!

 鍋は1品完結の完全食で、組み合わせ自由自在の∞(むげん)料理である。1つの鍋に肉や魚、野菜など様々な具材を入れて味わい、最後は〆という楽しみもある。いろいろおかずを用意しなくとも、具材を切って鍋で煮込めばできあがるという手軽さも手伝って、冬は出番が多くなるという人も多いだろう。

 家族や友人たちと囲む鍋は確かに楽しい。しかしこんなことを思ったことはないだろうか。「味つけを自分好みに変えたい」「もっと辛いのが好き」「パクチーをモリモリ入れたい」などなど。はたまた「あれ? この肉だんご、1人いくつだっけ?」などと、食べる分量にも気を遣い、好きなだけ食べられないというストレスも。

 そんなモヤモヤをすべて解決してくれるのが「小鍋」なんである。自分の好きな具材を好きなだけ入れて、好きな味つけで、誰にも気兼ねなく食べられる。そして作り方も簡単なため、ひとり暮らしの若者から子育てに忙しい若いママ層、そしてシニアにまで「小鍋ニーズ」は高まっている。

GettyImages
GettyImages

■切る、煮る、以上! 食べたいときにすぐできる!

 そんなニーズに応えて、『SHIORIのむげん小鍋』(講談社)を上梓した料理家のSHIORIさん。発売直後に即重版という人気ぶりで、注目を集めている。SHIORIさんが提案する小鍋の魅力とは……。

(1)調理工程は切る、煮る、以上!
 すぐに食べたいというニーズを考慮し、10分以内で作れるレシピに。

(2)野菜たっぷりヘルシー!
 普段不足しがちな野菜も煮ればかさが減り、たっぷり摂れる。肉や魚などたんぱく質、〆の炭水化物と、ひと鍋でお腹も栄養バランスも満たされる。

(3)コスパよし、経済的!
 何品も作る必要がないので、無駄なしで手軽。

(4)味つけ、具の組み合わせ、無限!
 自分の好きな具を好きな味つけで食べればよし。毎日食べても飽きない。

(5)パクチー、ドッサリだっていい!
 複数で囲むと苦手な人がいるパクチーなどの薬味も、好きなだけ入れてOK。

(6)とことん激辛だってあり!
 これも薬味と同様、誰かに気兼ねすることなく、自分好みの辛さにできる。

(7)ひと鍋だから片づけが楽!
 洗いものが少ないのはラクチン、食べ終わった後も超気軽。

 要するに、その日の自分の気分に合わせて、気ままに作ってよし! ということ。散財しすぎてお財布に余裕がないときには安価な食材で節約鍋を。いいことがあった日、仕事でがんばった日、自分にご褒美をあげたい日には、いい食材を使って贅沢鍋に。体重増が気になるときは、野菜多めのヘルシー鍋に。あたたかな汁は、気持ちを落ち着かせてくれるし、満足感だってあるのだ。

「具材を切って、煮ればOK」という手軽さは、子育て中の忙しいママたちにも大いに受け入れられているという。SHIORIさんはこの秋に第一子を出産し、現在子育てに奮闘中だが、慣れない子育てや産後の体調回復と折り合いをつけながら作る夫との食事に、小鍋レシピは大活躍しているし、SHIORIさんのSNSにも、同様に子育てをしているママたちから大きな反響が寄せられている。

 反響が大きく、特に人気の高い2つの小鍋を筆者も作ってみた。レシピとともに紹介したいと思う。

次のページ