ちなみにCさんは、院長がヘリを乗り回す様子が映されるなどする高須クリニックのCMに関しては好きだそうである。
「新郎はおそらく確実にミーハーで、有名企業の一社員であることや有名人とつながりがあることをステータスとして感じていて、それを自慢したいのだろうと。
一方、自分はあまりミーハーではないので、そういうことを『すごいでしょ!?』と見せられるとかえって『それがなんぼのもんじゃ』と反感を覚えてしまう」
ちなみに、Cさんのキャリアもなかなかなものなので、新郎に嫉妬を覚えたからそう感じたというわけではなさそうである。
しかし、そう思ってから会場や式次第を改めて見渡してみると、新郎の自己愛の強さが各所に発見できた。新郎父のスピーチ「息子は無事立派に育って…」には、「肉親がそう思うのは仕方がないだろう」と目をつぶったが、プチギフトに社名ロゴ入りの小袋に入ったティースプーンを渡された瞬間、この結婚式が、自分が参列した中で最も印象よろしくないものとなることが決定づけられた。
「おめでたいのはいい。立派な経歴も誇っていい。でもそればっかりで、一応ゲストへの感謝を伝えるっていう名目があるのが結婚式なんだから、もうちょっと自分ばかりじゃなくて周りを見た方がいい。こっちは高いご祝儀払って、ただ自慢大会に付き合わさせられたとしか思えなかった。
友人だった新婦が心配になったが、彼女が選んだ相手なのだからあとは『お幸せに』と祈るしかない」
●問題は新郎新婦だけにあらず 関係者が不穏をもたらすケース
新郎新婦ではなく、周りの人間が式に不穏をもたらすこともある。
親族の暴走はありがちだが、ある程度は参列者も「まあ、おめでたいから」と大目に見る。しかし度を越すのはまずい。
「新婦の父が極端に出たがりな式があった。最初は『娘がお嫁にいってしまって、お父さん切ないんだね、存分にはしゃいでいいよ』という空気だったが、そのお父さんが余興でギターを弾き語りしてから、ギターを離さずにずっと弾き語りしながら会場を徘徊(はいかい)していて、さすがにみんなへきえきしていた」(Dさん/39歳男性)