そう話したとき、高橋さんが「能町さんがいないときは、私のベッドに登ってきて、すりすりするよ」と衝撃の告白。能町さんは、「アキラにもするんだ。がっかり」と悔しがった。
とはいえ、小町ちゃんの愛情が一番、向いているのは、やはり能町さん。帰宅したときは、玄関でほぼ100%、出迎えてくれる。
「玄関から飛び出すんじゃないかっていうくらいの勢いで階段を駆け下りてくるんです。外に出ないように、『待って、待って』って言いながら、細く開けたドアから、手で小町の顔を押し戻すようにしつつ、家に入っています」
家でくつろいでいるときも、能町さんのそばにいることが多い。「にゃぁ、にゃぁ」とおしゃべりするのは、「私を構って」のおねだり。
「構って、構っての要求がすごいです。小町は絶対に人間の言葉がわかっていると思います。『こまにゃん、ママにゃんは出かけるよ』って言うと『にゃっ』って返事をしますから。もうそろそろ日本語をしゃべれてもいいはずなんですけど」と、猫じゃらしで小町ちゃんを遊ばせながら、能町さんはうれしそうだ。
「構ってほしくて、おもちゃを持ってくることもあります。私がお風呂から上がったら、脱衣所におもちゃが三つくらい置いてあったこともありました。階段を上り下りして持ってきたんでしょうね。私もアキラも忙しくて不在の時間が長いときに、玄関におもちゃが置いてあったことも。愛おしいし、切ないです」
一人遊びをするときは、自分の毛を丸めたボールがお気に入り。転がしながら、チェストの下のゴールを目指す。掃除をすると、何個もボールが出てくるそうだ。
能町さんは青森県に別宅がある。夏に長期滞在するときは、小町ちゃんも一緒に連れていく。
「初めて連れていったときは大変でした。私も初めてのことで不安でしたし。電車に乗っている間、ものすごく『にゃーにゃー』鳴くんです。途中から黙ってしまったときも怖くて。キャリーバッグの外側からでも、プルプル震えているのがわかるくらいでした」