manmaさんは、取材に対し以下のコメントを寄せてくれた。
「読んだときは余りにも感動して涙が止まらず、これは皆さんに知って頂きたい!と思い、Twitterで(投稿を)紹介しました。文章は、途中からInstagramの翻訳機能が使えない形式で投稿されたため、『きちんとした訳を知りたい』という声に応えるためにご本人に許可を頂き、僭越ながら和訳してTwitterで紹介させて頂いたのです」(上記、Sonyaさんのメッセージの日本語訳もmanmaさんによるもの)
恐怖の記憶を呼び覚ましながらも坂本のために応援の文章を綴ったSonyaさん、その想いに心打たれ、日本のファンとこの記事を共有したmanmaさんのアクションに、ファンの間では深い感動が広がっている。
Sonyaさんは、坂本選手とのツーショットに添えてこのメッセージを投稿した。今年9月、イタリアのベルガモで開催されたロンバルディア杯の折に撮影したものだ。manmaさんによると、
「Sonyaさんは、戦火から逃れて来ていた街から電車で1時間のところにカオリが来るということで、生まれて初めてフィギュアスケートの大会を観に行ったのだそうです。憧れの人に話しかけたいけれど、そうすることでカオリに迷惑をかけてしまうのではないかとずっと躊躇していた、と」
帰りの電車の時間が迫る中、同行の母に背中を押してもらい、ようやく取った一枚がこの写真なのだと、Sonyaさんはmanmaさんに明かした。
「実はこの投稿の後、『坂本選手を政治に利用しないで』というような意見も見かけました。でも、彼女は自分を救ってくれた恩人の危機に、今度は自分が恩返しする番だと、純粋に坂本選手を応援する思いで勇気を持って投稿してくれたのです」(manmaさん)
12月21日には、全日本フィギュアスケート選手権大会が開幕する。坂本は、所属するシスメックス株式会社のInstagramアカウントを通じ、「次、全日本頑張ります!!」と前を向いた。パフォーマンスで見知らぬ誰かを勇気づけ、生きる力になる事は、アスリートの存在意義の一面でもある。
「彼女は私のヒーローになりました。今もそうだし、これからもそうなるでしょう」(Sonyaさん)
ウクライナ人ファンからの深く熱いエールを受けて、坂本の弾ける笑顔が復活することを期待したい。
(本誌・菱守葵)
※週刊朝日オンライン限定記事