確かに、尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領は保守派だが、中国への配慮が目立つ。ペロシ議長訪台の後に、岸田首相が訪日したペロシ議長と朝食会でもてなしたのに、尹大統領は面会もせず電話会談のみだった。しかも、朴振(パク・チン)外相がその直後に訪中して王毅外相と会談までした。一方、王毅氏は、ペロシ議長訪台直後に日中外相会談をドタキャンしている。まるで中韓が共同で日米に対抗しているかのようだ。
X氏によれば、韓国は、今、台湾有事に巻き込まれるのを回避するのに必死だという。彼の言葉には、台湾有事の際に日本が巻き込まれるのは不可避で、それは自業自得だという警告が込められている。彼の言葉に、小国の意地と外交の知恵を見た気がした。
一貫して米国との一体化を推し進め、台湾有事にも自ら喜んで飛び込んで行こうとする日本は、小国でも独立の気概を持ち知恵を絞る韓国の生き方を「対中弱腰外交」と馬鹿にするのではなく、日本にとって学ぶべき点はないか、より深く考察すべきだと思う。
※週刊朝日 2022年12月30日号