森保一監督とは1993年10月、「ドーハの悲劇」を共に経験しました。あの時、こんなにも早くドイツやスペインに勝てる日が来るとは想像できませんでした。でも、彼が監督だったからこそ成し遂げられた。現役時代から、与えられた環境下で忍耐強く、最大限の努力ができる人でした。その姿勢は監督になっても変わらず、選手の心に響き共感を得てきたのでしょう。
森保監督は、サンフレッチェ広島の監督としてリーグ戦の優勝を3回しています。長期にわたるリーグ戦では、試合が選手を育てる場にもなるので、選手を大切に思うほど交代に踏み切りにくい。その感覚のまま代表監督になって「判断が遅い」と批判を受けてきましたが、今大会では一転、選択肢を捨てる勇気があり、決断が速かった。采配に迷いがありませんでした。
代表監督になって4年。良い流れを途切れさせないためには続投してほしい。ただ、親友として言わせてもらえば、とりあえず少しゆっくり休んでほしいという気持ちでいます。
(編集部・古田真梨子)
※AERA 2022年12月26日号