日本の大学の頂点に位置する、東京大学。最近でも「東大」を冠したテレビ番組が多数放映されているほか、我が子を東大に合格させた母親による手記や現役東大生の著書も相次いで刊行され、出版界においては、もはや"東大本"というジャンルが確立されつつあるようです。
 今回ご紹介する書籍『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』の著者、西岡壱誠さんも、そんな現役東大生作家の1人。
 これまでにも『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』(ダイヤモンド社)や、『東大式習慣「ゲーム化」でラクラク身につく<最強の効率術>』(扶桑社刊)など書籍も多数執筆している西岡さんが本書で提唱するのが、同時進行で2冊以上の本を読むこと。
 1冊の本をじっくり読み終えてから次の本を読むよりも、同時進行で同じ分野の本を2冊以上読む方が、大きな効果が得られると言います。本書ではこの読み方を"検証読み"と定義し、1つの考えに偏ることなく、主体的かつ多面的な思考力を養うために有効だと述べています。
 また、西岡さんによれば、東大生は、読書をインプットで終わらせるのではなく、感想を語り合うアウトプットが大好き。いわゆる合コンや飲み会ですら、本の感想の言い合いの場となることがしばしばあるそうです。
 「僕が2年間東大で生活していて、いちばん東大生同士で盛り上がった話は「『源氏物語』でいちばん素晴らしいヒロインは誰か」という議論でした」(本書より)
 気になるその結果ですが、「紫上」のような誰もが思いつくようなメインキャラクターではなく、地味だが面倒見のよい性格の女性として描かれる「花散里(はなちるさと)」という結論で一致したのだとか。
 現役東大生が自ら実践する読書法を明かした本書、受験生や受験生の保護者のみならず、現役ビジネスパーソンにも役立つノウハウ満載の1冊と言えるでしょう。