例えば2015年7月にスマートフォンゲームの大手、株式会社Cygames(サイゲームス)と結んだスポンサー契約は、入場料収入と並ぶ営業収益の2本柱、広告料収入を大きく伸ばした。2011年5月の設立ながら急成長を遂げていたCygames社は、東京都渋谷区に本社を置く。同社の渡邊耕一・代表取締役社長が佐賀県伊万里市の出身であることが縁になったと、竹原社長が説明してくれたことがある。

「毎年帰省される度に『佐賀県に元気がない』と感じられていたようなので。実際、佐賀県の中でも、もっと小さな田舎へ行くとさらに元気がなくなるような状況でした。その意味では、何とか佐賀を元気にできるものはないかと。サガン鳥栖というサッカークラブを通じてならば、いろいろな意味で子どもたちにも夢を与えられるのではないかと考えられて、お付き合いを始めさせていただきました」

 Cygames社の渡邊社長を感銘させた熱意は、過去にはバイエルン・ミュンヘンなどを率いてブンデスリーガ1部を制した名将、フェリックス・マガト氏へも伝わり、2015シーズンのオフには監督として正式契約寸前にまでこぎつけたことがある。

 2016シーズンのオフにはイタリア代表の守護神を長く務めたレジェンド、GKジャンルイジ・ブッフォン(当時ユベントス、現パリ・サンジェルマン)の獲得に動いたと報じられたこともある。

「それ(オファー)に近い形といいますか。正式なレターまでは出していないので、先方からの回答うんぬんはないんですけどね。とにかく、やれるところは全部やろうと、熱意と意思を持ってずっと動いてきたので」

●金曜ナイトゲームでも約2万人を集客 「地方の田舎クラブ」のチャレンジは続く

 チャレンジする姿勢を失わない竹原社長に、Jリーグの村井満チェアマンも全幅の信頼を寄せる。例えば今シーズンから導入したフライデーナイトJリーグ。新たなファン層を開拓するために、集客に苦しむことを覚悟の上で金曜日のナイトゲーム開催をリーグ全体で展開していく。その先鞭をつけるためにも、サガンに2月23日に1試合だけ行われたシーズン開幕戦を務めてほしいと要望した。村井チェアマンが言う。

「成功体験を積み上げたいという意味でも、私たちの方から鳥栖さんにやってもらいたいという思いはありました。社長の竹原さんも『やります』と言っていただいた。そういう覚悟を持っている社長の方々がいることが、やはり大事な要素ですよね」

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