15歳になる老の寝ている時間が多くなり、ネットで子猫を探すことにしました。サバトラのタヌキのような子に目が留まり、保護した方に連絡すると、自宅まで届けてくれた大きなケージの中には2匹の猫。

 あれれ!?と思っていると、「兄弟でごみ箱をあさっていたんです。離ればなれにするのは可哀想で……」。

 2匹はケージの隅でくっついて丸くなっていました。

 この子たちに罪はありません。届けてくれた人も無言の圧力。けど、心の準備ができていません。結局、2匹も3匹も似たようなものという楽観的な考えで引き取ることになり、当初欲しかった子も、〝おまけ〟でついてきたセロリ(写真)も7歳になりました。

 セロリは夫が大好き。朝、夫が起きると足にまとわりついて離れません。

 夫は「セロちゃんどうしたの、おなかすいてるの?」と猫なで声。私がゴハンをあげたと言っても、「だって腹すいたって言ってるぞ」と言いながら、またキャットフードをあげるのです。

 セロリは喜んで食べます。でもおなかがいっぱいだから、その後吐くのです。

「だから言ったでしょ。セロリはバカなんだよ。ホントにモォ……。セロリ、吐くなら、食べるのやめなさい!」と、毎朝同じことの繰り返しです。

 昨秋、先住の茶トラの子を22歳4カ月で看取りました。私が椅子に横になって泣いていると、セロリが胸にのっかってきて、じっとしているのです。その重さ、温かさ、何もしゃべれないけど、もしかしてこの子は、私が今悲しみの中にいることを察しているのだろうか。この子を引き取ったことも運命だったのかも、と感じました。

 ちなみにもう一匹のトマトはただのデブで、食べること大好きノー天気猫です。

(高村晴美さん 北海道/60歳/主婦)

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