台風の影響で全国的に激しい雨が降っています。季節の変わり目となるいま、「朝晩の冷え込みで暖房をつけた」「暖房器具をクローゼットから出した」という方も多いのではないでしょうか。そしてこれからの季節は、室外・室内の乾燥が気になりますね。
そんな折「肌の手入れはまだ先でも大丈夫」と油断していると、本格的な冬を迎える頃に様々なトラブルが出てきてしまいます。乾燥肌を放置していると、ひどい肌荒れにつながってしまうことも多いので、早めの対処が大事。
秋が深まるこの時季から気をつけて、冬の肌トラブルを回避しましょう。

そもそも空気が乾燥している、していない、の分岐点は何%くらい?

空気が乾燥すると肌に悪影響を及ぼす、または、風邪をひきやすくなるなどとよくいわれますが、では、いったい何%くらいから空気は乾燥している状態を指すのでしょうか。
実は多くの人が「乾燥状態=湿度◯%くらい」と明確に答えられないといわれますが、人間が生活を営むうえで快適とする湿度は40%〜60%とされ、気温については20度前後とされています。
つまり、この「40%〜60%」が「湿度が高い」「湿度が低い」の分かれ目となり、生活するうえでの目安にするとよい、といわれているのです。
夏は湿度が高い日が多いためカビやダニの発生率が上がり、肌疾患が増加する傾向にありましたが、秋から冬にかけて気温の低下とともに、湿度もどんどん下がってきます。地域によって違いはありますが、場合によって湿度10%の乾燥状態が続くエリアもあります。
一方で、湿度が下がるとウイルスが増えやすい環境になり、乾燥肌、ドライアイなどのトラブルも増加します。

ドライアイの人は、湿度にも注意したいもの
ドライアイの人は、湿度にも注意したいもの

乾燥が原因とされる、肌トラブルの悪循環とは?

乾燥肌の問題点は、最初はただの乾燥によるかゆみだったのに、かゆい部分を無意識に掻くことで肌表面に小さな傷ができ、それがまたかゆみを招く悪循環に陥ってしまうことがあります。
「掻く→傷になる→かゆみが発生→また掻く→傷になる→かゆみが発生→また掻く→……」
上記のような連鎖(悪循環)を引き起こし、結果としてひどい肌トラブルになってしまうこともありますので、悪循環を招かないために、とにかくスタート段階から肌を乾燥から遠ざけることが大事になってくるのです。

外部刺激によって、皮膚表面のバリアー機能は低下します
外部刺激によって、皮膚表面のバリアー機能は低下します

肌の乾燥を防ぐために実践したい2つのポイント

もともと人は、肌バリアー機能を備えているので、まずはその機能を生かし、バリアー機能を損なわない習慣を身につけることが大切です。
【乾燥肌を招かないポイント1/洗い過ぎない】
一番気をつけたいのは、入浴時の「洗いすぎ」です。
洗いすぎはかえって乾燥肌を招いてしまうため、入浴時に次のような方法でカラダを洗浄しないようにしましょう。
●ゴシゴシと力を入れて洗う
●洗浄力の強いボディソープなどで強めに洗う
●熱めの湯船につかる
【乾燥肌を招かないポイント2/保湿】
入浴後はもちろん、外出前などにセラミドが配合された保湿化粧水などで、皮膚表面しっかり保湿しましょう。
肌のバリアー機能を高めるためには、入浴後や洗顔後は時間を置かずに保湿化粧水やクリームをつけると、より高い保湿効果が見込めます。乾燥肌が気になる女性の場合は、肌の皮脂膜の成分に近いホホバオイルなどを乾燥が気になる部分に塗布して、皮膚表面を守ってあげることで、肌の柔軟性と弾力性を保つようにしましょう。

熱すぎるお風呂は、肌+体にもよくないとされています
熱すぎるお風呂は、肌+体にもよくないとされています

洗い過ぎない、保湿以外に、肌乾燥を防ぐためのポイントとは?

肌の乾燥を防ぐために実践したい2つのポイントをご紹介しましたが、実は乾燥肌を改善するために肌表面だけの対処では乾燥肌はなかなか改善されません。
つまり、健康な肌は体の内部から改善しなければならない、ということ。
では、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
●間違ったスキンケア ●睡眠不足
●偏った食生活による栄養バランスの崩れ
●過度なダイエット ●ストレス
●低湿度の室内で長時間過ごすことが多い ●喫煙……
これらは、肌乾燥だけではなく、健やかな髪を損なう要因ともいわれますが、これから本格的な乾燥の時期迎える前に、生活習慣を少しでも見直すことができれば、つらいかゆみや乾燥による肌の痛みを回避することができるはずです。
子ども、成人、男女にかかわらず、腕や足に黒ずんだたくさんの掻いた跡があるのは気分的にいやなものですよね。そうならない前に乾燥肌対策を行って、健やかな肌状態で冬を迎えてくださいね。