
新光学系の一眼レフ用ツァイス
コシナとカール ツァイスの協業による一眼レフ用M交換レンズのミルバスシリーズにF1.4の大口径35ミリレンズが加わる。
同社のクラシックシリーズには9群11枚構成のDistagon T*1.4/35があるが、今回のミルバスは11群14枚の新設計となり、デジタルカメラに最適化されたものになっている。
手に取った瞬間に思わず「うっ」と声を漏らしてしまうほどの重量級だ。レンズ単体で1080グラムもある。ツァイスブランドレンズゆえに許されるものだろう。クラシックよりも240グラム重いが、公表されているMTFからして明らかな性能向上が確認できる。大きさ、重さよりも性能を重視するツァイスの思想にブレはない。
性能面では、至近距離から無限遠までの結像性能の向上、軸上/倍率色収差の徹底補正がされ、最高級のレンズシリーズであるOtusシリーズに匹敵する性能を有するという。クラシックシリーズと比較すると線の細い描写でヌケのよさが特徴だ。
MFであり、価格面からみてもすべての人におすすめできるレンズではないが、こうした象徴的な製品はツァイスには必要だ。

◆赤城耕一
●焦点距離・F値:35ミリ・F1.4●レンズ構成:11群14枚(非球面レンズ1枚、異常部分分散ガラス5枚)●画角:64.2°●最短撮影距離:0.3メートル●最大撮影倍率:1:4.6●フィルター径:φ72ミリ●マウント:ニコンF、キヤノンFE●大きさ・重さ:ニコン用φ84.8×116.8ミリ・1030グラム、キヤノン用φ84.8×119.3ミリ・1080グラム●価格:税別23万5000円●URL:http://www.cosina.co.jp/