●EXILE風に色黒で金髪頭 痛々しい若づくりおじさん

 広告代理店に勤務する46歳の既婚男性Dさん。職場は社風もあって勤務服の自由度が高い。社員は皆それぞれの個性を発揮した洒落者であるが、そういった職場に身を置いているがゆえに「老いに抗うおじさん」を目にする機会も多いそうだ。

「職場で一番気合が入っていると思うのは、髪を「EXILE」にいそうな短髪のくすんだ金色にしているおじさんです。入念にアクセサリーもいくつかつけていますし、『この人やけに色が黒いな』と思っていたら日サロに通っているそうです。加齢臭を誤魔化すためか香水もきつい。年相応の貫禄が出ているというよりかは『若づくり』しているという印象が先立ちます。ああいうのって、あまりやりすぎると不潔に感じてしまうんですよね」

 若づくりがあからさまだと、逆に歳を取っていることが際立ちやすい。

「最近の流行で裾を短くして足首を見せるパンツスーツがありますが、あれもおじさんがやるのは個人的にはどうかと…。若い人の溌剌とした足首とおじさんのしょげた足首では、見せているモノが違う」

 若づくりおじさんたちの星として君臨する、ある芸能人の影響も根強そうである。

「鉄板ですが、石田純一さんみたいになりたいんだろうなというおじさんたちも一定数います。しかし清潔感が追いついていないので、素足にローファーを履かれても『脱いだらすごそう…(ニオイが)』としか思えない」

 若々しくありたいと願うことは男女共通の願いだろう。若々しさを保ちつつ老齢に伴った魅力を備えうることは決して不可能ではない。しかし老化との向き合い方を誤ってしまうと、痛々しい若づくりおじさんが誕生してしまうようである。

 すべてのおじさんが、世間やネット上で揶揄されているようなおじさんであるわけではない。一部の「いろいろな意味でいやらしいおじさん」たちが、世のおじさん像に深刻なダメージを与えているのである。そういうおじさんたちが、会社でいいポジションにいたりするのだから、若い者にとっては大変だ。おじさんたちとて、若い頃に「こんなおじさんにはならない」という反面教師を見てきたはず。いったんわが身を振り返り、いつしか自分が誰かの反面教師になっていないかを確認してみたい。

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