いずれにせよ、「アスリート妻は料理上手で栄養管理ができ、なおかつ国際派」なんて条件は、一部の野球・サッカー選手夫妻の例を挙げて、勝手に既定路線化しているだけのこと。さらには「高給取りのスポーツ選手と結婚して安泰な暮らしを手に入れたのだから、粛々と良妻賢母を貫き、目立とうとするな」という世間のやっかみも多分に影響しているはず。

 国民的アイドルから英国一のセレブになった妻を持つデビッド・ベッカムや、マライア・キャリーを始め彩色豊かな恋愛を繰り広げながらも「ミスター・ヤンキース」として不動の実績を残したデレク・ジーターなど日本的「良妻」「良縁」とは無縁の超一流アスリートなどたくさん存在します。

 そもそも「結婚相手が選手としての未来を左右する」のであれば、結婚などせずに今の徹底した自己管理を継続する方が、大谷さんにとっては最も大事な「願望」かもしれません。

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

週刊朝日  2023年5月5-12日合併号

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ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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