
「選択的夫婦別姓が過激な主張だとは思いません」
個人的には、女性の権利に対して問題意識を持ち、女性の候補者や政治家に寄り添い積極的に支える男性議員は、40、50代よりも60代以上に多い印象を受けます。60代以上になってようやく政治基盤が固まり、自分の考えを気兼ねなく言えたり、他者にも支えの手を伸ばしたりできる環境が手に入るからかもしれません。でも、選挙は弱くても、女性や若者を含めた有権者の声を代弁するために政治家になった身からすると、バッシングのリスクを恐れて言うべきことを言わないのは甘えだと思います。
リスクと言っても、私の選挙区である千葉5区は、“千葉都民”と呼ばれる方々が暮らす市川市や浦安市。選択的夫婦別姓が過激な主張だとはまったく思いません。男性も女性も、キャリアを含め多様な生き方の選択肢を持っていることが当たり前で、選択的夫婦別姓の実現はマジョリティーの意見だと感じます。
――自民党内には選択的夫婦別姓に反対する女性議員もいますが、なぜでしょう。
結局、支援者が誰かということに尽きると思います。私は意識的に後援会幹部に女性を入れて、資金を集める際も女性の経済力にも訴えかけて活動しています。女性主体の活動を展開して選挙でも勝つというのは、自民党においては独自のエコシステムを作らなければいけないわけで、相当ハードルが高い。しかし、だからこそ、女性の声を代弁するような発言が堂々とできるわけです。
男性中心の自民党の支持基盤の中で生きていれば、エコーチェンバーになり、女性の声は届けにくい。状況を打開するには、有権者である国民がアクションを起こすことです。この政策を実現しなければ投票しないぞ、資金を止めるぞ、と支持者に言われた瞬間、政治家は変わらざるを得ません。