
ソフトバンクが強い。首位攻防戦となった9日からの日本ハム戦(みずほPayPay)で同一カード3連勝を飾るなど、8月に入って9勝2敗。日本ハムに3ゲーム差を離している(14日時点)。
【写真】長打力がなくてもOK メジャーの「市場価値の変化」で評価が高まる意外な選手がこちら
3、4月は9勝15敗2分と大きく負け越したが、5月以降は55勝22敗2分と勝率7割を超えるペースで白星を積み重ねている。強さの要因はなんだろうか。ソフトバンクを取材するライターが分析する。
「選手層の厚さに尽きますね。今年は春先から柳田悠岐、近藤健介、栗原陵矢、今宮健太、正木智也とレギュラー陣に故障者が相次ぎ、昨年本塁打と打点の2冠に輝いた山川穂高も打撃不振とアクシデントが相次いだ。この緊急事態で、バックアップの選手たちが主力の抜けた穴を補って余りある活躍を見せてくれた。柳町達至、野村勇、川瀬晃、ジーター・ダウンズ、佐藤直樹が台頭し、ベテランの中村晃も勝負強い打撃が光ります。ウィークポイントと懸念されていた捕手陣の奮闘ぶりも高く評価されるべきでしょう」
チームが一気に弱体化したケース
正捕手を長年務めてきた甲斐拓也が昨オフ、巨人にFA移籍した。守備の司令塔である捕手は特別なポジションだ。過去にも絶対的な捕手が他球団に移籍したことでチームが一気に弱体化したケースがあった。横浜(現DeNA)は谷繁元信が、2001年オフに中日にFA移籍すると、翌02年から3年連続最下位と暗黒時代に突入。大黒柱の存在が大きければ大きいほど、後継者の捕手を見る目が厳しくなる。巨人は球界を代表する捕手として活躍した阿部慎之助(現巨人監督)が現役引退以降、守備型の小林誠司、強打が武器の大城卓三が正捕手を務めたが、「阿部と比べると物足りない」と解説者から指摘されることが少なくなかった。昨年は岸田行倫、小林、大城の3人体制で4年ぶりのリーグ優勝を勝ち取ったが、昨オフに甲斐を獲得。春先から扇の要として固定されていたが、勝負の世界は厳しい。6月以降は岸田が先発マスクをかぶる機会が増えている。