
救急車で病院に搬送
境内は、様々な思いが交錯する。
香港のメディア関係者だという男性(25)は、こう話した。
「国が先の戦争をちゃんと反省して謝らなければ、日本の国民の皆さんにも悪い影響があると思います」
午前11時過ぎには、本殿に向かう参道の列の長さは約100メートルに及び、参拝まで2時間ほどかかる。厳しい暑さの中、みな汗だくとなり、熱中症の疑いで複数人が救急車で病院に搬送された。
正午。80年前の8月15日、終戦を伝える昭和天皇の「玉音放送」が流れた時間だ。境内に正午を知らせるチャイムが鳴ると、1分間の黙禱が行われ、みな静かに頭を垂れた。黙祷が終わると、再び参拝の列がゆっくりと進み出した。
記者が滞在したのは、午前8時前から正午すぎまで。
戦争の歴史、そして平和への願い。様々な声が交錯する靖国神社は、終戦から80年を迎えてもなお、「戦後」を終わらせてはならないと私たちに問いかける。
(AERA編集部・野村昌二)
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