それでも、悪性腫瘍で闘病することになった名倉巧への「待ってるぞ!」のエールとともに選手、サポーターは思いを一つにしており、この使命感がJ1昇格への最後のひと押し”になるかも知れない。

 7位にはサガン鳥栖(勝点39:11勝6分け7敗)が、長崎と同じ勝点で付けている。14年ぶりのJ2舞台を戦う今季、まさかの開幕3連敗スタートとなったが、小菊昭雄新監督の下で今季の戦い方”がハッキリとしてきた中で徐々に調子を上げ、5月は3勝3分け。6月の水戸、大宮の連戦を1分け1敗も、その後に3連勝で上位争いに加わった。

 6月に獲得した20歳のガーナ人FWマイケル・クアルクが、FIFA規則によって公式戦出場不可の可能性があるとして8月4日に契約解除となる誤算はあったが、左膝半月板断裂から度重なる手術によって長期離脱していた背番号10のMF本田風智夏が7月の天皇杯で2年2カ月ぶりに復帰し、8月2日のリーグ再開初戦でも後半途中出場。8月6日に18歳になったFW新川志音など若手の成長も期待できるだけに、夏の補強「なし」でも終盤戦へ向けてのチーム力アップは可能だ。

 今夏の積極補強が目立ったのが、8位のジュビロ磐田(勝点38:11勝5分け8敗)だ。ここまでの24試合で長崎の39得点に次いで水戸と並ぶ37得点を挙げながら32失点で派手なスコアの試合が目立つが、戦力的には開幕前からJ1昇格候補であることに違いはない。

 さらに6月に獲得したベルギー人CBヤン・ファンデンベルフ(←NACブレダ)がすでに欠かせない戦力となっている他、タイ人FWポラメート・アーウィライム(←アントン・ユナイテッド)に加えて、ブラジル人アタッカーのグスタボ・シルバ(←ECヴィトーリア)、さらに期限付き移籍ながら実力申し分なしのMF井上潮音(←広島)を獲得した。

 この補強での戦力アップで、一気に上位に食い込むことができるか。終盤戦に向けてJ1昇格争いの鍵を握る注目のチームだと言える。

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