首位・水戸との比較、リーグ再開直前にブラジル人DFガブリエウが負傷離脱したこと、レッドブル傘下となったことなどを考えると、夏の移籍は「物足りない」と感じる。現有戦力の練度アップとFW杉本健勇の爆発に期待したい。

 5位には徳島ヴォルティス(勝点41:11勝8分け5敗)がいる。昨季途中就任でチームを立て直した増田功作監督の下、オフに的確な補強に成功。開幕10試合は3勝4分け3敗も、第11節からの10試合を7勝2分け1敗と勝点を積み上げて上位に食い込んだ。特に24試合でJ2最少13失点の堅牢な守備が光っている。

 動きがないと思われていた夏の移籍では、8月5日に実績十分のFW宮崎純真(←甲府)の獲得を発表。ウイングバックでも実績を残してきた25歳のドリブラーの加入で、チームがどう変わるか。

 そして再開初戦の愛媛戦では1-0勝利を挙げた中、今季新加入で大当たり助っ人”になりつつあるブラジル人FWルーカス・バルセロスが躍動して今季8得点目を決め、ナイジェリア出身の高卒ルーキーFWローレンス・デイビッドとの迫力満点の2シャドーを形成。ベテランFW渡大生を含めた攻撃陣が完成すれば、自動昇格圏浮上もあり得る。

 J1昇格プレーオフ圏内ギリギリの6位にいるのが、開幕前に本命候補に挙げられていたV・ファーレン長崎(勝点39:10勝9分け5敗)だ。

 第7節からの7戦未勝利(3分け4敗)と苦しみながら、第14節以降は中断明け初戦のドローも含めて6勝4分け1敗の好成績で浮上してきた。6月16日に下平隆宏監督から高木琢也監督へと交代した決断には賛否の声があったが、現時点では「吉」と出ている。

 戦力的には、6月に2年半ぶりの古巣復帰となったDF江川湧清(←G大阪)が即フィットし、7月に5年半ぶりに呼び戻した翁長聖(←東京V)もリーグ再開初戦でスタメンフル出場した。

 ただ、夏の移籍期間に松澤海斗と安部大晴が海外、増山朝陽が町田へ移籍しており、戦力収支としては決してプラスにはなっていない。

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