4月17日の阪神戦で右翼守備をする村上(日刊スポーツ)
4月17日の阪神戦で右翼守備をする村上(日刊スポーツ)

メジャー挑戦で気になる三塁守備

 村上は3年契約が切れる今オフ、ポスティングシステムでメジャーに挑戦すると見られている。村上の出場試合では複数のメジャー球団のスカウトが球場で視察を続けている。今年は故障で離脱期間が長かったが、メジャーの東地区球団のスカウトは「評価が下がるということはないですね。成長していく様子を見てきましたし、打撃はさらに良くなるでしょう」と強調したうえで、こう続けた。

「気になるのは三塁の守備です。シビアな言い方になりますが、メジャーの三塁手として平均を下回るレベルです。かといって指名打者だと起用法の幅が狭まってしまう。村上が外野を守れれば出場機会が増えるでしょう。今年は春先に右翼で出場していましたし、外野の適性があるように感じます。パワーヒッターの体格ですが足は決して遅くない。三塁を守っている時は送球が不安定に感じますが、スローイングを見ていると外野向きなのかなと。実戦で外野を守る時の打球に対する反応などを見てみたいですね」

 一部の米国メディアの報道では、ドジャースを移籍先の「本命」に挙げていた。ドジャースでは今月35歳になる正三塁手のマックス・マンシーが、今年で2年契約が切れることが背景にある。だが、米国の通信員は「移籍先としてリスクが大きい」と懸念を口にする。

「マンシーの後継者が必要なことは間違いないですが、村上がすぐに穴を埋められるかというと荷が重いように感じます。打撃でメジャーの投手に対応するまでには時間が必要です。三塁の守備も不安を抱えていますが、指名打者には大谷翔平という絶対的な存在がいる。常勝を義務付けられている球団なので、力を発揮できないと判断されれば見切りが早い。下位に低迷していますがエンゼルス、ロッキーズなど多少の打撃不振でも我慢して起用してもらえるチームで力を磨いて、数年後に強豪球団へのステップアップを目指したほうが良いと思います」

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