
ももクロのリーダー・百田夏菜子さんがホストとなり、月替わりのゲストとトークを繰り広げるAERAの対談連載「この道をゆけば」。前号に引き続き、津田健次郎さんをゲストにお迎えしています。声優としてアニメや洋画の吹き替えに参加した経験を持つ百田さん。そこで感じた怖さや難しさを津田さんにぶつけますが、大先輩は昔から肝が据わっていたようで──。AERA2025年8月11日-8月18日合併号より。
【写真】津田健次郎とももクロ・百田夏菜子のツーショットはこちら
* * *
百田:声優のお仕事を何度か経験させてもらっていますが、わからないことだらけでいつも不安になってしまいます。津田さんは「自分のせいで作品の世界観が壊れてしまうかも」と不安に感じたりすることはなかったですか?
津田:あんまりそこはなかったです。違っていたら監督から言われると思うので。それに、若い頃はだいぶ尖り気味だったんです。「自分がちょっとはみ出したくらいで壊れるんだったらな……」みたいな。
百田:なんと……!
津田:そしてある時期からは、「いち声優が作品全体のことを考えるなんておこがましい」と思うようになった。役者はその瞬間を役としてどう生きるかが命なのであって、責任を負えるのは自分が出ているシーン、自分のキャラクターに関してだけですから。自分は魅力的な素材を作ることに全力を尽くすので、あとは監督の好きなように料理してください、という気持ちで臨んでいます。
百田:なるほど〜。津田さんはいろんな役をやられていますけど、演じる対象にはどうアプローチしているんですか?
津田:僕の場合、ファーストインプレッションを大事にしていて。「このキャラクターのこういう感じ、面白いな」とか「こんな一面もあるんだな」みたいなところから広げていく感じです。なるべくそのキャラクターの“核”をつかみたいと思っているので、細かい部分はあまり気にしないかもしれない。
百田:共演する方と声のトーンが被らないように、とかは?
津田:全然考えないですね。