
昨今の日本情勢がJリーグに“負の影響”を与えているように感じる。カテゴリーを問わず暴力事件や誹謗中傷が多発、懲罰処分を受けるファン・サポーターが後を断たない。欧州・南米における“フーリガン”と同じ傾向が起きているようだ。
1993年のJリーグが発足時、「世界で一番安全なスタジアムを」と掲げられた。それから30年以上の時間が経過、日本サッカー界のレベルは格段の向上を果たしている。しかし、スタジアム内外における“暴力”は酷さを増しているように感じてしまう。
「各クラブが、すごくしっかり対応してくれているとは思う。安心・安全が日本らしさのモデルだと思う。そこをどう守っていくか」(野々村芳和チェアマン/7月29日)
野々村氏は、かつて北海道コンサドーレ札幌・社長を務めた。ファン・サポーターが関与するトラブルにも接してきた経験があるだけに、「暴力には断固たる姿勢を崩さない」という意思表明にも感じた。
今季は、本拠地が当地域同士の対決『ダービーマッチ』でのトラブルが頻発している。
7月5日の横浜FC vs.横浜F・マリノス戦(三ツ沢)では、開場前の場外でF・マリノスのサポーターが花火・発煙等を使用しての威嚇・挑発行為。同5日のセレッソ大阪vs.大阪戦(ヨドコウ)でも、ガンバ・サポーターによる暴力・破壊行為があった。
「どちらもスタジアム外での事件。会場には親子連れや女性客も多かった中、一歩間違えば大惨事になる可能性もあった。愛するクラブを思う気持ちからだろうが、『やってはいけないこと』が判断できない人が多過ぎる」(Jリーグ関係者)
F・マリノスに関してはJ1下位に低迷、J2降格の危機に迫られている。当日は「1-0」で勝利を収めたが、事件の影響で観客のスタジアム入場が大幅に遅れた。また以後の試合では、サポーター中心団体の活動禁止、横断幕や旗なども持込、使用が禁止になった。
「スタジアムの雰囲気も大きく変わる。ホームであってもアウェー感覚で試合に臨むことになる場合もあるだろう。『選手、サポーターが一丸となって勝利を掴む』ことが求められる中、大変なことをしてくれた」(F・マリノス関係者)