永野芽郁(写真:2022 TIFF/アフロ)
永野芽郁(写真:2022 TIFF/アフロ)
この記事の写真をすべて見る

 まさに“しれっと復帰”という表現がふさわしい姿だった。

【写真】田中圭を前に満面の笑みの永野芽郁はこちら

 7月29日(日本時間)にカナダ・モントリオールで開催された第29回ファンタジア国際映画祭。ここに、女優・永野芽郁(25)の姿があった。主演映画「かくかくしかじか」が同映画祭で上映されることになり、原作者である東村アキコ氏と一緒に舞台あいさつに登壇したのだ。“文春砲”による田中圭との不倫疑惑報道以降、国内メディアから完全に姿を消していた永野が、満面の笑みを浮かべて客席に手を振る様子は、さながら“何事もなかった世界線”のようであった。

 会場での永野は、「ボンソワール、永野芽郁です」「映画を楽しんでいただけるとうれしいです」とフランス語と英語でと観客に語りかけた。スキャンダルを知る日本のメディアであれば、目を丸くするような堂々とした姿だったが、ここは北米。映画に罪はないというスタンスの観客たちは、彼女を温かく迎えた。上映後にはスタンディングオベーションも起こり、異国の地では、映画そのものが評価されていたようだ。

 だが、その舞台裏に潜む“緊張感”は拭えなかった。東村氏と永野が並んで登壇するという構図自体が“異様”だったからだ。

 というのも、映画「かくかくしかじか」は、東村氏の青春と恩師との関係を描いた自伝的作品であり、彼女にとって極めて大事な題材だったからだ。映画化のオファーを長年断ってきたという東村氏が、ついに制作を許可し、自らも脚本や美術監修、方言指導にまで関わった力作だった。その大事な映画公開のタイミングで永野のスキャンダルが報道されたことに、表には出さずとも内心の怒りや失望はあっただろう。

「公開直前のスキャンダル報道だったため、永野の映像やコメントは排除され、共演の大泉洋のみが前面に出るなど、露骨な“主演隠し”のような演出が続いていました。代わりにとばかり、東村氏もプロモーションにフル稼働。しかし、主演女優には触れようとしない場面もあり、“無言の怒り”をにじませていたように見えました。今回、東村氏はそれを飲み込み、永野は気まずさに耐えながらも、観客の前に並び立つ姿は、“プロ”としての矜持を感じさせるものでした」(映画ライター)

次のページ 自粛も反省もしていないのではないか…