沙也加さん亡きあとのステージで
君島さんがファンになるきっかけとなった聖子のコンサートは、2022年のコンサートツアー『Seiko Matsuda Concert Tour 2022“My Favorite Singles & Best Songs”』の日本武道館公演。そのステージで、3曲目には黒のドレスに衣装をチェンジして登場し、『ever since』を歌っている。
『ever since』は、21年12月18日に急逝した愛娘・神田沙也加さんのデビュー曲で、「SAYAKA」名義でリリースし、沙也加さん自身が作詞を担当している。
最愛の娘を亡くした約半年後から予定されていたコンサートツアーは、ファンの間でも開催されないのではないかと心配されたが、聖子はステージに立ち、さらに娘がつづった言葉が歌詞に詰まった大事な曲を歌い上げた。
君島さんの言う“常に歌うことを選択してきた”松田聖子の人生が垣間見えた瞬間だ。
「裸足の季節」が原点
君島さんは「45年間ファンの方からすると“にわか”ですが……」と恐縮しつつ、実はデビュー曲「裸足の季節」に影響を受けていたと明かす。美容がライフワークとなったのも、この曲とつながりがあるという。

「最初に聖子さんを意識したのは、資生堂の洗顔料『エクボ』のCMの曲『裸足の季節』です。当時中学生だった私は『エクボ』を買い、『裸足の季節』を口ずさみながら、1日2回、毎日顔を洗っていました。CMには聖子さん本人は出演していなかったのですが“この歌声は誰なんだろう”と気になっていました。CMが話題になってから『歌:松田聖子』と画面に出るようになり、そこから聖子さんの声が大好きになりました」
それ以降、中学生だった君島さんは雑誌「セブンティーン」などの美容特集ページを真剣に読むようになる。特に「よく泡立てる」「すすぎを大事にする」など洗顔の大切さを知り、そのときに身に着けた洗顔の基本を今も守り続けているという。
美容家として活躍する君島さんの今が、「裸足の季節」とつながっていることを振り返り、しみじみと「人生は面白いですね」と言う。