低価格商品のリリースを発表するMTG(photo 宮本さおり)
低価格商品のリリースを発表するMTG(photo 宮本さおり)

 巷で目にする機会も増えてきたリカバリーウェアは既存の衣料品メーカー以外からの参入が目立っている。例えば、2018年創業のTENTIAL(テンシャル)が開発したリカバリーウェア「BAKUNE」は発売以来快進撃を続け、わずか2年で売り上げは5倍超に。同年12月時点で累計100万枚(上下合わせて200万枚)を記録し、2025年1月期の売り上げは前年度の倍以上となる128億円となった。TENTIALは「BAKUNE」の快進撃のおかげで今年2月には東証グロース市場に上場を果たしている。

大泉洋をCM起用しMTGが参入

「BAKUNE」が牽引するリカバリーウェア市場に7月、新たに参入した会社がある。筋肉を鍛えるSIXPADや美容機器ReFaシリーズなどのヒットを飛ばすMTGだ。人気俳優の大泉洋氏をブランドアンバサダーとして、働く世代に訴求するCMでリカバリーウェアブランド「ReD」をリリースした。「ReD」の売り出すリカバリーウェアはパジャマだけでなく下着やTシャツもある。

 仕組みは他社と同じで人体から出る遠赤外線を特殊加工した繊維で輻射するというもの。遠赤外線と聞くと、あたたかいというイメージが先行するが、キシリトールをプラスで配合した独自素材のCOOLタイプシリーズは水や汗と反応することで涼しく感じることができる夏仕様になっているため、夏でも快適に着用できるという。インナーシリーズは3千円台から。上下で1万5千円前後するウェアタイプのものが主流だったリカバリーウェア市場にMTGは低価格帯の商品で勝負を挑む。オンライン販売の他、病院内の売店や実店舗でも売り出す。

 休息や疲労回復を目的とした機能性衣料として注目を集めるリカバリーウェアは衣類業界に新たなジャンルを切り開いた。着るだけでケアできる手軽さや、健康志向の高まりを背景に今後さらなる成長が見込まれる。

(フリーランス記者・宮本さおり)

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