
若手の台頭で厳しい広島・田中
広島が2016年から球団史上初のリーグ3連覇に貢献した当時の功労者たちも、前半戦は存在感を発揮できなかった。田中広輔(36)は、かつて二塁手の菊池涼介(35)と「タナキク」コンビと称され、不動の遊撃手として活躍していたが、近年は小園海斗(25)や矢野雅哉(26)の台頭で出場機会が減少し、今年は14試合出場のみで打率.167。少ない打席で10四死球、出塁率.375は評価できるが、7月14日に登録抹消された。かつてクリーンアップを張ったチーム最年長の松山竜平(39)は今季1軍出場なし。後輩たちに愛される性格で、打撃で何度もチームを救ってきたが、正念場を迎えている。
2000安打を記録して名球会入りを決めている現役選手、楽天・浅村栄斗(34)、巨人・坂本勇人(36)、中日・大島洋平(39)、西武・栗山巧(41)は、いずれも前半戦に打撃の状態が上がらなかった。
「夏場からシーズン終盤は経験豊富なベテランの活躍がカギを握ります。球界を代表するベテランたちには本来の姿を取り戻してほしいですね」(球界OB)
年齢を重ねながら結果を重ねている選手たちもいる。楽天・岸孝之(40)は先発ローテーションで11試合登板して64イニングを投げ、4勝をマーク。日本ハムのセットアッパー・宮西尚生(40)も24試合登板で11ホールド、防御率1.72の好成績で健在ぶりを発揮している。他のベテランたちも後半戦で、「限界」の声を吹き飛ばす活躍を見せてほしい。
(ライター・今川秀悟)
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