山田哲人に復調の兆しが見えてきた(写真提供・日刊スポーツ)
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 かつて輝きを放った選手も年を重ねるごとに苦しむケースは多い。セ・リーグで現在、そんな例に当てはまっているのが山田哲人(ヤクルト)である。

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 履正社から2010年にドラフト1位で入団。3年目にはレギュラーに定着すると、ホームラン王と最多安打1回、盗塁王3回、そして打率3割、30本塁打、30盗塁の“トリプルスリー”を3度達成するなど球界を代表する内野手へと成長を遂げた。

 しかし2020年には怪我もあって94試合の出場に終わると、翌年には34本塁打、101打点で復活を果たしたかに見えたが、2022年以降は徐々に成績が低下。昨年はレギュラー定着後最低となる77安打、1盗塁、打率.226に終わると、今年も開幕から調子が上がらず、ここまで打率.219、5本塁打と低迷しているのだ(7月28日現在)。

 やはり気になるのが近年の故障の多さである。一昨年は開幕直後に下半身のコンディション不良で登録抹消となると、夏場にも右足を負傷。いずれも1カ月近くの離脱となっている。昨年も開幕戦での走塁でいきなり下半身を痛めると、5月にも体の張りを訴えて二軍調整を余儀なくされた。

 そして、この怪我によってまず影響が出たのが走塁面だ。2015年から19年までの5年間でシーズン30盗塁を4度クリアしていたが、20年からは盗塁数が激減。過去5年間で二桁盗塁は2022年の10盗塁だけで、昨年はわずか1盗塁でシーズンを終えている。盗塁は意識の面がその数字に大きく反映されると言われており、脚力が落ちているということももちろんだが、体調面の不安からスタートを切れなくなっていると言えるだろう。

 また、コンディションの問題は打撃にも影響を与えている。

 過去には4度の打率3割をマークしているように対応力の高さにも定評があったが、初めて故障で長期離脱した2020年から昨年までの5年間の打率は.247と大きく下がっている。さらに気になるのが出塁率で、かつては4割を超えていた数字が一昨年と昨年は.306と約1割低下しているのだ。

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