四国で面白い存在になりそうなのが滝上春斗(穴吹3年・投手)だ。現在のチームは部員わずか13人で、近年は県大会でも2回戦が最高成績という状況だが、今年春には140キロ以上のスピードをマークして注目されている左腕である。
この夏も初戦で城東を相手に8回コールドの0対7で敗れたが、3回まではノーヒット、5者連続を含む6奪三振を奪う見事なピッチングを見せた。体つきは細いものの、流れのスムーズなフォームで柔らかさがあるのが特長。この日の最速は筆者のスピードガンで141キロ、アベレージは130キロ台中盤から後半だったが、球持ちが長いため打者は差し込まれることが多かった。フィールディングの動きも良く、脚力があるのも魅力だ。現時点では育成ドラフトの対象というレベルに見えたが、上手く鍛えていけば大化けも期待できる素材である。
連日の猛暑で選手にとってはコンディショニングの難しさもあるが、負けたら終わりという最後の夏に一気に才能が開花する選手も少なくない。残りわずかとなった地方大会で驚きの成長を見せる選手がさらに出てくることを期待したい。
(文・西尾典文)
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