小川に期待される役割は、1トップで体を張ってポストプレーをしながらゴールも奪うこと。日本人に足りない“高さ”をチームにプラスすることも求められる。

 その役割の序列トップには上田綺世がいるが、上田の負傷で出番を得た小川がW杯アジア最終予選で好パフォーマンスを続け、チーム最多タイの4得点と高い決定力で結果を出した。

 しかし、今年に入って故障の影響もあって招集外が続き、その間に町野修斗が大きく評価を上げ、E-1選手権では得点こそなかったが垣田裕暉が貢献度の高さを示した。小川には今後の強化試合で、改めて自らの存在と実力を示す必要が出てきたと言える。

 その他にも、FW陣にはシャドー起用された人材も含めて、細谷真大、ジャーメイン良、原大智、中村草太、宮代大聖、山田新などが招集されており、未招集の後藤啓介や塩貝健人、内野航太郎などの欧州挑戦中の若手FWたちも、この1年で急成長してメンバー争いに加わる可能性がある。

 前回のカタールW杯では、出場権を獲得した試合から本大会のメンバーは計8人が入れ替わった。1年あれば随分と状況は変わる。新戦力の台頭とともに、常連組の巻き返しも期待したい。その競争が、日本代表のレベルアップに繋がる。

(文・三和直樹)

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