
3年連続最下位から巻き返しを誓った中日は前半戦を40勝46敗2分で終えた。借金6を抱えて4位になっているが、3位の巨人と2ゲーム差、2位のDeNAにも2.5ゲームしか離されていない。7月上旬には借金が11まで膨らんだが、その後に今季最多の7連勝をして息を吹き返した。
シーズン前は最下位争いをする識者の予想が多かった中で、「よく健闘している」と評価する声が上がる。だが、違った見方も。スポーツ紙デスクは「借金6で上出来とは感じないですね。もっと勝てるチームですよ」と言い、こう指摘する。
「中日の投打の陣容を見ると、決して他球団に見劣りしない。228得点はリーグワーストで依然として得点力不足が課題ですが、打率リーグトップの岡林勇希、戦力外から復活した上林誠知、和製大砲の細川成也、新外国人のボスラーと、打線の軸になる選手たちがいます。選手個々の状況判断、ベンチワークを磨けばもっと順位は上がります」
13年続いている低迷期
中日は低迷期が長く続いてきた。2004年から監督となった落合博満氏は、在任8年間でリーグ優勝4度、日本一1度、毎年Aクラスという黄金期を作ったが、落合氏が11年限りで退任すると、その後の13年間で優勝はなし。勝率5割を上回ったシーズンも12年と20年の2度のみという低迷ぶり。シーズン終盤にCS争いにすら加われない年が恒例となっている。
そんなチームを変えようと、21年オフに就任したのが「ミスタードラゴンズ」として、絶大な人気を誇る立浪和義前監督。印象的な改革がドラスティックな「血の入れ替え」だった。22年オフには二遊間のレギュラーを張っていた阿部寿樹(現楽天)、京田陽太(現DeNA)をトレードで放出して、涌井秀章と砂田毅樹を獲得。23年のシーズン途中には日本ハムとのトレードで山本拓実、郡司裕也を交換要員に、斎藤綱記、宇佐見真吾を獲得。同年オフには巨人を退団した中田翔、ソフトバンクを自由契約となった上林誠知を獲得した。チームを変えようという強い意志が見られたが、結果がすべての世界だ。22年から昨年まで球団史上初の3年連続最下位に沈み、立浪氏は昨年限りで退任。チーム再建は志半ばで終わった。