
参政の議席を「利用」したい他党
ただし、今回の得票は固い支持層に支えられたものではなく、風をつかんだものだ。今後、掲げた政策を実行できるのか、スキャンダルは出てこないか、自民党など政権与党との距離感を誤って支持者の失望を呼ばないか、など参政党にとっては難しい局面が続く。
また、勢力を拡大した参政党は今後、他党との折衝が必要な場面も増えてくる。委員会の理事、あるいは委員長ポストも視野に入ってくるだろう。当選者の多くが地方議員や秘書経験もない新人議員で、国会対応などの先行きは見通せない。
「そのハンドリング次第では国民の失望を買う可能性もあるでしょう。ただ、他党にとっても参政党の議席数は『利用したい』と思うほど大きなものなので、政策実現が進む可能性もあります」
既成政党への不信と新勢力への「期待」が交錯した参院選を経て、政局は新しい局面を迎える。
(AERA編集部・川口穣)
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