
「参政党の勢いには勝てない」
神谷氏が演壇に立つと、凄まじい拍手と歓声。
「もう何年も前に書いた本をマスコミは持ってきて、『こんなことを言っているじゃないか』とくる。その後、ちゃんと修正なり、発言を変えている」
「私も聖人君子じゃない。過去に失敗、失言もしています。さっき(の演説で)も失言しました、すぐに訂正しています、その場で。これからもっと気を付けます」
そう説明するだけで拍手が沸き上がる。少々の「失言」があっても動じない人気を感じた。
自民の地方議員は小泉氏の演説を聞いた後、参政の演説場所を通りかかって様子を見ていたといい、こう話した。
「この熱気、人の数。小泉氏、自民党の完敗だ。参政党の勢いには勝てない」
結果的に、参政の杉本氏は3位当選。自民の酒井氏も4位で滑り込み当選した。
参院選で見せた参政の勢いは、かつて橋下徹氏らが日本維新の会を立ち上げ、大阪・難波の目抜き通りで演説したときに感じた熱狂と似た感じがある。しかし、参政党が違うのは、この熱狂が全国を網羅しているところだ。
選挙戦最終日の7月19日、参政の大阪選挙区の候補の宮出千慧氏と、全国比例候補の梅村みずほ氏が大阪市内で演説をした。周囲には参政の主張に反対してプラカードなどを掲げる「アンチ」の数も少なくなく、「帰れコール」が響いた。参政の陣営側から支援者に、
「抗議者の方にはさわらない、挑発には乗らない、話しかけられてもかかわらない」
と注意喚起する声がひっきりなしにかけられ、警官も駆け付けカオスのような現場だったが、マイクを握った梅村氏は、
「アンチの人って参政党の政策、わかってくれているということや」
と切り返していた。
現場を見たという維新の地方議員はこう話した。
「うちと比べて、参政党のほうがすごい。昔のうちの盛り上がりを見ているようだった」
結果は選挙区の宮出氏も比例区の梅村氏も当選した。多少の「失言」や「アンチ」も吹き飛ばす勢いと破壊力が、今の参政にはある。