
参議院選挙は7月20日に投開票があり、自民党と公明党の連立与党は惨敗して参院で過半数割れとなった。自民は改選前の52議席から39議席へ13議席も減らす大敗となった。逆に13議席を増やして大躍進した参政党との勢いの差は歴然としている。
与党大敗で石破茂首相は「退陣必至」と見られたが、「続投」を表明した。だが、自民党内で石破首相への批判の声が止められなくなっている。
自民党の大敗を象徴するのが大阪選挙区だ。これまで自民は改選数2の複数区でもめったに負けず、議席を獲得し続けてきたが、改選数4の大阪選挙区で1議席も獲得できないという惨敗を喫した。
選挙戦終盤の7月16日、石破茂首相が大阪選挙区の自民候補である柳本顕氏の応援に入ったが、自民の大阪府連会長である青山繁晴参院議員の姿は見えなかった。記者が入手した石破首相遊説に伴う動員協力願いの文書は、大阪府連会長ではなく、府連事務長の須田旭大阪府議の名前で出されている。府連幹部が憤慨して言う。
「青山氏は石破首相をことごとく批判していた。一緒にいたくないと、職場放棄ですよ。演説の動員を呼び掛けるビラにも、青山氏が自分の名前を出すなということで、府議が呼びかける形になった。4議席あるのに自民党が1議席もとれないこの末期的な状況は、党と地元がバラバラだったからという面があります」
青山氏は昨年10月の衆院選で自民党が大敗した後の両院議員総会で、石破首相に対して「自ら辞意を表明されるべき」と発言したことがある。今回の大阪選挙区の敗北を受けて7月21日、府連会長を辞任すると表明するとともに、石破首相に対して改めて、「衆参両院で負けたことになる。石破総理は辞めるべきだ」と辞職を求めた。
石破首相の「続投」表明については、自民党の近畿地方の衆院議員A氏も声を荒げる。
「昨年の衆院選に負けて、東京都議選だって負けている。参院選で負けたのも石破首相の責任なのに、どうなってんだ」
参院選初日、石破首相は兵庫県神戸市で第一声を上げたが、これは地元が希望したものではなかったという。A氏がこう話す。
「どうしても来るというので、投開票日に最も遠い初日と希望を出したからです」