
事前登録が必要な神谷代表の取材
一方、大躍進した参政党。「日本人ファースト」を唱えて14議席を獲得し、共産党、れいわ新選組などを抜き、参院で一気に野党第4党に躍り出た。
選挙戦最終盤の7月18日、自民と参政の勢いの差を感じさせる場面があった。
過半数維持に懸命な自民は激戦区のひとつ、愛知選挙区(改選数4)の応援に小泉進次郎農水相をあてた。自民候補の酒井庸行氏は、党が行った情勢調査で当選ラインぎりぎりの4番手争いをしていた。
名古屋市の繫華街の昼休み、気温が30度を超える中で姿を見せた小泉氏は、
「酒井さん、元気ですよね。こんなに会場の共感を呼ぶほど、『助けて』っていう人、なかなかいませんね。それぐらい今、必死の戦い。なんとか酒井さんが勝てるように、私も今日応援に参りました」
と語りかけ、大きな拍手が沸き上がった。
小泉氏が自民党への支援を訴え、「頑張ろうコールを」と言い出したときに、突然の大雨。自民党の支援者の中からは、
「一番いい時に、なんでこんな大雨なんだ」
と不吉な兆候のように漏らした。
一方、同じ18日の午後、愛知選挙区の参政候補の杉本純子氏の応援には、神谷宗幣代表が駆けつけた。名古屋市の繁華街・栄の演説会場では、神谷氏が到着する前から、長蛇の行列。会場に入るため10分ほど並ぶほどだった。
写真撮影のために報道エリアに行こうとすると、「事前登録」が必要とのこと。国政選挙取材では珍しいため記者は登録しておらず、広報担当者から、
「神谷代表のぶら下がり取材は参加できないという条件でお願いします」
と言われ、ようやく取材用のパスがもらえた。
知り合いの記者が耳元でこう教えてくれた。
「神谷代表の『失言』がぶら下がりで追及されるので、飛び込みの記者は警戒されているようです」
選挙戦初日に「高齢女性は子どもを産めない」と演説で発言し、バッシングされた神谷氏。その後も、過去の発言や著作、政治とカネの問題、宗教法人や特定企業との関係などが次々と報じられたため、神経質になっているようだ。