第9位「セカンド・ラブ」

「セカンド・ラブ」(ファン私物 撮影/中村隆太郎)
「セカンド・ラブ」(ファン私物 撮影/中村隆太郎)

 情熱的な「TANGO NOIR」から一転、第9位にランクインしたのは3枚目のシングル「セカンド・ラブ」。せつない恋愛を歌う落ち着いた雰囲気の名曲だ。その世界観からか、様々な甘酸っぱい当時の思い出にまつわるエピソードも聞かれた。

「当時、しっとりと歌いあげた明菜ちゃん。当時は中学生だった私。クラスの女子が、体育館で、二つに分かれて、歌詞を見ずに、半分は『少女A』、半分は『セカンド・ラブ』を、大きな声で歌い、歌いきった方が勝ち、つられた方が負けっていう歌合戦をしてて、私は、断然、『セカンド・ラブ』派! 明菜ちゃんの存在無しでは、語れない学生時代。一番大好きな曲です」(50代・女性)

「当時付き合ってた彼女が、歌ってくれた曲が『セカンド・ラブ』で。その歌を聞いてびっくりするほど上手くて。声も中森明菜にそっくりで顔もスタイルもそっくりだった。そんな彼女と別れる事になったんですが、この曲を聴くたびに当時を思い出す日々があり、毎回切ない気持ちを抱えて時が過ぎて。お互いに別の相手と結婚して38年が過ぎた頃、偶然に巡り会い、お互いフリーになっていた事もあり再会して40年目で結婚しました。だから、『セカンド・ラブ』はとても大切な曲です」(60代・男性)

 若い世代にお勧めしたい曲というアンケートだったが、10代からの声も。

「“前髪を少し直すふりをしてうつむくだけなんて”という歌詞が今の女の子たちにとっても、凄く切ない表現だから」(10代・女性)

 明菜の歌う「セカンド・ラブ」の恋のせつなさは、どの世代にもしみる。

第8位「十戒(1984)」

「十戒(1984)」(ファン私物 撮影/中村隆太郎)
「十戒(1984)」(ファン私物 撮影/中村隆太郎)

 第9位と3票差で9枚目のシングル「十戒(1984)」がランクイン。ツッパリ路線と言われた「少女A」の作詞を担当した売野雅勇氏が同作を作詞。作曲は高中正義氏だった。

「デビュー当時からファンでしたが、『十戒(1984)』の歌唱・衣装・振付をテレビで見て、コンサートへ行ってみたくなりました。生の明菜ちゃんは鳥肌が立つくらい綺麗で可愛くてかっこよくて、すぐにファンクラブに入会しました。以降ずっとファンクラブの会員です。

 この曲はアイドルからアーティストへの転換期の曲だったように思います。セルフプロデュースもこの頃からだったのではないかと……」(50代・女性)

 明菜の魅力が詰まった一曲はシンプルにカッコよく、いまの10代の心にも刺さる。

「テレビで昭和歌謡の特集を見てるときに、明菜ちゃんの『十戒(1984)』が流れてきて、めっちゃかっこ良かったです! あれで19歳だなんて大人っぽすぎます! しかも歌も上手いし! 明菜ちゃんを好きになって1番最初に好きなった曲が『十戒』なんですけど、『十戒』って今じゃあまりない歌詞なのでなおさら、凄い好きです! 最初のイントロも凄くよくて、明菜ちゃんはバレエを習っていたため、体幹も凄い良いからあんな華麗なステップができるんですね! 明菜ちゃんの歌い方は感情を歌に込めて歌っていて凄い好きです! 私も明菜ちゃんみたいになりたいっていつも思います」(10代・女性)

 今の10代が、当時19歳の中森明菜の姿に衝撃を受ける。まさに若い世代にお勧めしたい曲のひとつだといえる。

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