丸山茂樹
丸山茂樹
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 丸山茂樹さんは、4月に開催されたゴルフの祭典「マスターズ・トーナメント」に出場した選手たちの活躍を振り返る。

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 今シーズンのメジャー初戦「マスターズ」(4月6~9日、米ジョージア州オーガスタのオーガスタナショナルGC)で、松山英樹(31)は16位でした。

 今回は天候が荒れて気温の差があれだけあると、厳しかったかもしれませんね。何となく、雨が降ってるときに「振り(スイング)が少しやさしいな」と思ったんです。もしかしたら痛いのかなあ、と。やっぱり少し首の痛みも戻ってきてたということみたいで。

 先週号で触れたように、僕にとってのマスターズは今回みたいなイメージなんですよ。雨ばっかりで中断させられて、早朝の真っ暗な時間から行動させられて。寒かったなあ、臭かったなあって思い出しましたよ。雨が降るとパトロンが歩くところがぐちゃぐちゃになるので、ウッドチップを置くんですけど、これが臭くてね。

 英樹も今回はオーガスタの洗礼を受けましたね。とはいえ、普通にゴルフができたら上位は外さないなと思いましたし、みんな英樹が2年前にマスターズに勝ったから上位にいて当然なんて思いがちですけど、あんだけ最終日にパター外して16位ですよ。そこはやっぱり評価してほしいですね。器が違います。

 ゴルフって僕が前から言ってるようにドライバー、アイアン、アプローチ、パター、メンタルと五つの要素がつながっていかないと勝てない。五つのバランスが100点満点の80近くでとれてると、もう上位を外さないんですよね。

 今回優勝したジョン・ラーム(28)を見てると、意外とミスも多いけどバランスがいい。ドライバーが曲がってもリカバリーできる、最終ホールもあんなに左にいったけどボールが出てきて、きっちりレイアップして3打目寄せてパー。ああいうバランスなんです。

 3日目までトップだったブルックス・ケプカ(32)が2位。惜しかったですけど、米PGAツアーのメンバーとしてはリブゴルフに参戦しているケプカが勝つよりもラームが優勝した方がハッピーだったのかなあ。あるいは一般のゴルフファンがどんなふうに思ってるのか質問してみたいですね。

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