看護師時代の石橋さん。仕事は「天職」だったと振り返る。当時からとにかく洋服が好きだったという(写真:本人提供)
看護師時代の石橋さん。仕事は「天職」だったと振り返る。当時からとにかく洋服が好きだったという(写真:本人提供)

 22年11月には著書『アンダー153cm、60歳。カッコよく着こなす大人コーデ』を出版しました。最初に「本を出しませんか」と誘われた時は興味がなく、お断りしたんです。でも、周囲から「大好きなファッションをテーマにした本が出せるなんて幸せなこと。やってみたほうがいい」と勧められ、挑戦しました。

──インスタグラムのフォロワーは9.5万人を超えています。どんなところが多くの人に受け入れられていると思いますか。

 年齢を問わず、自分らしいおしゃれを楽しみたいと考える人たちが共感してくれているのではないかと思います。

 フォロワーには男性もいます。ハンサムコーデが好きなので街を歩く時は女性より男性のファッションを観察して参考にしています。低身長なのでバランスも重要ですし、コーデにはどこか女性らしさをプラスしています。自分の年や肌の露出はあまり気にしないので、タンクトップやショートパンツもよく着ます。

笑顔を欠かさずに

 写真や動画は納得できたものしか投稿しません。写真を撮って「いけてないな」と感じたら、靴やバッグ、スカーフの色、大きさ、素材を変えてみる。ほんの少しの違いが大きな差を生みます。

 フォロワー数やアクセス状況の分析も欠かさず続けています。アクセスが少ない投稿があればその原因を分析し、改善できることを探します。

──年齢を重ねても輝くために大切にしていることはどんなことですか。

 周囲への愛と感謝の気持ちを忘れず、ご縁を大切にすることです。周囲の人たちの支えがあるからこそ、今の私の立場がある。

 いろんな情報を収集し、納得いかないことは聞く。人の話が聞ける人は成長できると思うからです。誰かが私に対して発した言葉の意味を深く考え、いいとこ取りをして、成長につなげるには、向上心が大切だと思います。

 笑顔も欠かしません。笑っていると周りの人も楽しい気持ちになれるから。

 結局私の原動力は、自分がいいと思った洋服や小物をみんなに紹介したいという気持ちだと思います。それでみんなが「参考にしたい」と思ってくれることが幸せ。毎日楽しくて仕方がない。今、人生に悔いは全くありません。

(構成/ライター・浴野朝香)

AERA 2025年7月7日号より抜粋

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