
58歳まで看護師として約40年キャリアを積んできた石橋洋子さん。彼女が転職を考えたのはこの先の人生を考えたことがきっかけだった。ミドルエイジ世代の転職、その後は。AERA 2025年7月7日号より。
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看護師を58歳で辞め、ファッション業界に飛び込んだ石橋洋子さん(62)。身長153センチという小柄な体形を上手に生かした着こなしが人気で、ファッションブランドのディレクターやモデル、インスタグラマーとして活躍中だ。「好き」を転職につなげるまでの道のりや第二の人生を満喫するコツを聞いた。
何をすればいいのか? 自分の心に正直に耳を傾けた結果、思い浮かんだのはやっぱり「洋服」でした。中学生の時からずっと流行に敏感で、何よりもおしゃれを楽しんできましたから。
人生は一度しかない。だから残りの人生は本当に好きなことに挑戦したい。死ぬ時に自分の人生は本当に充実していた、幸せだったと思いたい。そんな考えが段々頭を占めるようになりました。
インスタグラムのフォロワーが5万人を超え、広告収入が安定してきたことも後押しになりました。転職を考える時、経済的な安定を得ることができるという確信がなければ簡単に辞めるべきではないと思います。
自分らしく楽しむ
──退職されてからのパワーがすごいですね。
最初の挑戦は年齢などにかかわらず挑戦する女性を応援する「ミセスオブザイヤー」福岡大会出場です。オファーを頂き、全く興味のないことでしたが、それもご縁。21年に大会特別賞を受賞し、日本大会に進むことができました。
その後、ファッションブランド「Lazo_N33°」のディレクターに就任。スペイン語で絆を意味する「ラソ」と自宅の緯度をブランド名にしました。購入してくれる顧客といつも絆で結ばれている、という思いがこもっています。洋服づくりに励み、YouTubeで動画配信も始めました。