
「勉強しなさい」と言わなくなった理由
――50歳の節目に、子育てメソッドをつづった著書『つるのの恩返し』も出版されています。学び始めたことで、子育てについて考えが変わったことはありますか?
子どもに「勉強しなさい」と言わなくていい、と思うようになりました。
そもそも僕が勉強するようになったきっかけは、長男の中学受験なんです。まったく勉強をしなかったので、「勉強しなさい」と口うるさく言っていたのですが、だんだん「『おバカタレント』の僕が、どの口で言っているんだ」と笑えてきて。これはまずいなと思ったときに、長男が通っていた個別指導塾に、大人でも通えるプランがあると聞き、入ってみることにしました。塾に通ってもいいし、家でオンライン学習もできるということだったので、勉強がどんなものか、まずは自分でやってみようと。
――塾では、どんな勉強をしたのですか?
それまで本当に勉強をしてこなかったので、小中学校で学ぶような、いわゆる5教科の勉強をやりました。いざ勉強してみたら、想像以上に面白かったんです。人生経験があるからか、歴史の授業で大仏が出てきても「あれほど大きな大仏をこの時代に造り上げるには、どれほどの人の力が必要だっただろう」とプロセスを想像できて、興味を持てたんですね。
それに自分で勉強してみたら「何歳になっても学びたいときに学べるんだから、無理に勉強させる必要はない」と気づいて、息子に対して寛容になりました。その時々で、好奇心をもって取り組めることを頑張ればいいんだなと。