写真・図版(3枚目)| つるの剛士「骨の髄まで学んでやろうと」 “おバカタレント”が49歳で大学卒業 「勉強」のおかげで息子に寛容に

父の挑戦する姿を見せる

――その後、つるのさんは短大、大学と学び続けていきます。リビングで勉強していたお父さんを、お子さんたちはどのように見ていたのでしょうか?

 子どもたちは、僕が勉強していると、リビングのテーブルに集まってきて、よく一緒に勉強をしていました。「勉強しなさい」と言わなくなったら、自分から勝手に勉強し始めるようになったんです。僕が短大と大学でのテストの結果を家族のLINEグループで報告していたので、みんな「パパも頑張っているんだ」「やればできるものだな」と感じ取ってくれていたのではないでしょうか。

 中学受験のときにはなかなか勉強しなかった長男は、自然に勉学に関心をもち始めて、ついには、大自然のあるカナダの高校に留学することを決めました。留学先から「学ぶことが楽しい」なんて連絡が来たこともあって。

――父親が一生懸命学び、それを楽しんでいる姿を見せたことが「勉強しなさい」と言うよりも、ずっと説得力があったのでしょうね。

 勉強に限らず、好奇心をもって何かに挑戦する姿を見せるのが、よかったのかなと思います。

――大学卒業したばかりですが、これからも学び続ける予定は?

 実は大学院の資料も一通り取り寄せたのですが……本格的な研究の道に入っていくと、とんでもないことになりそうで、ちょっと怖気づいています(笑)。今はひとまず、大学で学んだ心理学の本を、もう少し読みたいですね。

(聞き手・塚田智恵美)

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