いずれも映像写真部・佐藤創紀撮影
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 9歳から21歳までの5人の子どもを育てるつるの剛士さん(50)は、2022年に短大を、今年大学を卒業した。子育てや仕事と、学業をどのように両立させたのか。40代半ばで始めた「大人の学び直し」が子育てにどのように影響したのかを聞いた。

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「学びたい」 所定の単位に4単位追加

――短大に入学した頃は、一番下のお子さんはまだ3歳。どのように勉強していたのですか。

 家にいるときは、リビングで勉強していました。最初の頃は「庭で勉強しよう」と張り切って、DIYで勉強机も作ったんですけど、いちいち机を出して準備するのがだんだんおっくうになって(笑)。

――仕事との両立は、大変ではなかったですか?

 短大の頃はコロナ禍とも重なり、仕事も調整できたのでまだよかったんですが、大学での試験勉強はかなり苦労しました。テストを控えた科目のテキストはいつも持ち歩き、新幹線での移動中やロケ先のホテルで、隙間時間を見つけては勉強していました。ノートには、勉強したキーワードから連想することや、感じたことを書き連ねるようにしています。板書の内容を書き写すよりも、こうやって自分なりにメモするほうが頭に入りました。

――単位は落とさずに卒業できた?

 唯一、統計学は危なかったです。こども心理学部というと文系のイメージがあったのですが、目に見えない心を扱うため、データに基づいて研究をする必要があり、理数系の要素もあるんですね。一から学ばなければならず苦労しましたが、なんとか試験をパスできたので、単位はすべて落とさずに取得できました。それどころか所定の単位だけでは満足できず、追加で4単位取ってしまったくらいです。

――すごい意欲ですね。

 自分のお金で通っているので、やる気が違いますよね。もう骨の髄まで学んでやろうと(笑)。それに、通っていた大学では、2週間に1回、2科目のテストがあったんです。最初はきつかったけれど、それで勉強のリズムができたのがよかったですね。そういえば僕は3年前に筋トレにハマったんですが、大学の勉強は、筋トレをしにジムに行くのに似ています。習慣ができると、やらずにはいられなくなる。

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