わたなべ・まりな/1970年、東京都生まれ。2児の母。おニャン子クラブのメンバーとしてデビューし、明るいキャラクターで、テレビ・ラジオなど多方面で活躍。台湾や手芸、ピラティスなどカルチャー通としても知られる(写真/横関一浩)
わたなべ・まりな/1970年、東京都生まれ。2児の母。おニャン子クラブのメンバーとしてデビューし、明るいキャラクターで、テレビ・ラジオなど多方面で活躍。台湾や手芸、ピラティスなどカルチャー通としても知られる(写真/横関一浩)
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 AERAで連載中の「この人のこの本」では、いま読んでおくべき一冊を取り上げ、そこに込めた思いや舞台裏を著者にインタビュー。

【写真】不機嫌の芽を摘むことで自分なりの解決に繋がるフォトエッセイ

 更年期によるホルモンバランスの乱れや老い、育児・家事、家族のトラブル、仕事などなど……。大人の女性は「不機嫌」になることがいっぱい。そんな女性たちが抱えるさまざまなストレスをひとつずつ拾い上げておおらかにまっすぐな言葉で紡ぎ、さらに浄化していくようなフォトエッセイ集。講談社web媒体「with class」の連載を書籍化した。更年期の妻の気持ちをわかりたい夫たちにもオススメの一冊『不機嫌ばかりな私たち』。著者の渡辺満里奈さんに同書にかける思いを聞いた。

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 これまでも趣味や育児など、ライフスタイルに関する著作を出版してきた渡辺満里奈さん(54)の最新刊は、更年期と真正面から向き合ったエッセイだ。

「『満里奈さんが更年期の話をするなんてね』って言われるんですよ。『そういうこと話すの、抵抗ないんですか』とも。でも更年期って、誰もが通る道じゃないですか。どんなに若く見えても、どれだけお金があっても、年はとるし」

 タイトルが『不機嫌ばかりな私たち』なので、さぞかし重い内容なのかと思えば、まったくそうではない。「更年期」「家族」「家事」「老い」「外の世界」と、日常のいたるところにある「不機嫌」のタネ。それをひとつずつ取り上げてはいるのだが、どの項目も読後感は爽やかだ。ちなみに本人は「不機嫌」という言葉にネガティブな印象がなかったという。

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