
交流戦を6勝11敗1分と大きく負け越した巨人。今後注目されるのが捕手の起用法だ。
【写真】最も捕手の競争が激しい巨人で他球団が絶賛する「5人目の捕手」はこの人
昨オフにソフトバンクからFA移籍した甲斐拓也(32)が開幕から4月中は先発マスクをかぶり続けていたが、5月に入ると昨年正捕手を務めた岸田行倫(28)や大城卓三(32)が先発する試合も出てきた。特に6月に交流戦が始まると岸田の出場機会が増加。さらに、小林誠司(36)も20日の西武戦で今季初めて先発マスクをかぶり、その日は決勝打を放つなど攻守で活躍した。
昨年の巨人は岸田、小林、大城と持ち味の違う3人の捕手が投手の良さを引き出し、4年ぶりのリーグ優勝に導いた。昨オフに甲斐がFAで移籍してきたことで、大城が他球団移籍を視野にFA権を行使するかと去就が注目されたが、2年契約で残留。小林もソフトバンクへの人的補償での移籍や他球団へのトレード移籍の可能性が報じられたが、巨人首脳陣の評価は高く、移籍はなかった。今季は4人のハイレベルな正捕手争いが続いている。
他球団の評価が高い5人目の捕手
一方、巨人ではこの4人以外に、ファームで気になる捕手がいる。今年でプロ6年目を迎えた山瀬慎之助(24)だ。山瀬は他球団の評価が非常に高い。
「守備は1軍で十分に通用します。肩の強さは日本でトップクラスでしょう。送球の精度も高いので盗塁を刺せる。今年は打撃も成長の跡が見られます。配球を読み、ミスショットが少なくなっている。個人的には山本祐大(DeNA)と能力で引けを取らない捕手だと思います。トレードで獲得できるなら欲しいですよ」(パ・リーグのファーム首脳陣)
昨年はファームでチーム最多となる96試合にマスクをかぶり盗塁阻止率.378をマーク。打率.219と打撃面が課題だったが、今年はファームで53試合に出場し、打率.323をマーク。2ストライクに追い込まれても右方向に安打を放つなど、打席で粘り強さを見せている。
ファームで好調の山瀬だが、今季1軍の出場機会はない。昨年も1軍では、リーグ優勝を決めた後の2試合出場にとどまった。山瀬は甲斐と自主トレを共に行い、キャッチングやスローイングの技術を学んできた。だが、甲斐が加わったことで強力なライバルがまた1人増え、1軍で活躍するのが厳しい状況になっている。