
有村藍里はずっと置いてけぼりにしていた
――周りから変化に驚かれませんでしたか。
幼稚園のころの幼なじみは、「本当に明るくなったね」「めっちゃ変わったね、良かったね」と言ってくれました。
――幼なじみの方もうれしかったんじゃないですか。
たぶん、幼い頃は人見知りだけど、仲良くなれば一緒に楽しく遊んでいた時期もあったんです。ただ、いろいろなことが重なって、ネガティブが加速していって……。
その幼なじみはアクティブなタイプで、たとえばディズニーランドに行っても、音楽に合わせて体を揺らしたり、キャラクターに手を振ったりするんです。「藍里もやろうよ」と言われるけど、私はできないタイプで。でも、今は私もキャラクターや船に乗っている人たちに自然に手を振れるようになって、それに驚かれました。

――本来持っていた性格に戻れたというか、もっと素のままになれたんですね。「本来の姿」でいうと、本名の「有村藍里」として芸能界で生きていくと決めたことでも、見える世界が変わったんじゃないでしょうか。
病院で名前を呼ばれたときに「テレビに出てるよね?」と看護師さんに言われるようになって、外でもちゃんとしようと思うようになりました(笑)。
内側の変化でいうと、芸名で活動していたときは、ネガティブな私じゃなくて「新井ゆうこ」という女の子に切り替える感覚がありました。新井ゆうことしてたくさん成長したし、事務所の女の子たちも「ゆうこちゃん」として接してくれるので、ゆうことして生きる時間が長かったんです。
でも、いざ本名で活動するとなって、「本来の私」を考えたときに、有村藍里はずっと置いてけぼりにしていたんだなと気づいて、もっと大切にしたいと思うようになりました。そうせざるを得ない状況になったから名前を変えることになりましたが、どの選択もすべて前に進むために自分で決断してきました。これからも自分に嘘をつかず、1ミリずつでもいいから、前に進んでいきたいと思っています。
(構成/AERA編集部・福井しほ、撮影/写真映像部・上田泰世)

(構成/AERA編集部・福井しほ)
